初産だからって予定日より遅れるとは限らないんだよ!!
37週と1日目の検診。予定日まであと14日。
母子ともに順調にここまで来たけれど、38歳と2か月の私の血圧は先週辺りからだいぶ高くなってきた。まぁ、高齢出産だしね。血圧やら糖尿やらは想定内のトラブル。
「このまま妊娠高血圧症になったら、母子ともに悪影響ですから・・・ここまできたら、もう早く産んじゃいましょう!」
先生はそう言って、グイッと子宮口を広げた。
「はい。今3cm程開いてます。しばらくは軽く出血すると思うけど・・・気にしないで!大量に出血するようなことがあったら・・・連絡して下さい!」
えっ!?ちょ、ちょっと待て!早く産むって!?どんくらい?急に出て来ちゃったら・・・どうすればいいの!?!?!?
「大丈夫!初産婦さんは少なくとも十数時間はかかるから。気が付いたら産まれてた・・・なんてことはありませんよー(笑)」
「ここ一週間のうちに産まれる可能性?はいはい、十分ありますよー。」
えーーーっ!?予定日まで2週間以上あるよ!!まだ心の準備出来てないよーーー!!と、戸惑ったところですでに子宮口は開かれちゃったんだから仕方ない。
家に帰る途中に産まれちゃったらどうすんのよ・・・という不安を抱きつつも、無事帰宅。いったん安堵したものの、いつ陣痛がきてもいいように入院の準備を済ませ、寝床に着く・・・眠れないよー!!!夜中に何度もトイレに起き、確認。子宮口を広げられてから、少量ではあるもののずっと出血が続いるんだけど・・・ちょっと量が増えたような気がしないでもないが・・・大量って程でもないしなぁ・・・
気持ちが落ち着かず、熟睡できないまま夜が明けた。
完全に寝不足。体がダルいので朝食の準備を夫に任せ、トイレに行くと出血の量が微妙に増えてる・・・ような?気がする。
一応病院に連絡するか・・・何でもなければ、それで安心だし・・・ってことで、救急外来受付に電話をすると「それでは、一応入院の準備をして来て下さい。」とのこと。
そのまま出産という事態に備え、朝食のとろろそうめんをかき込む。便意を感じたが、とりあえず我慢。タクシーで病院へ向かった時刻は正午を30分ほど過ぎていた。
病院の待合室で数分、いざ診察。
「子宮口は現在3cm。昨日S先生が広げたんですね。出血はそのためで、ちょっと多かったのは“おしるし”ですね。初産婦さんですよね?10分おきの陣痛が1時間程続いたら、また来て下さい。」
「今日明日出産の可能性?ありますよ。あるいは、一週間後かもしれないし。とりあえず、破水には気をつけて下さい。」
えっ!?ちょ、ちょっと待て!今日の可能性もあるなら、しばらくここで様子見たりした方がいいんじゃないの!?と焦ってみても仕方なく、タクシーで帰宅したのが午後2時ごろ。
相変わらずダルいので、家のベッドで横になる。待機していた夫はとりあえず安心して、買い物に出かけた。
腰の辺りが生理痛みたいに何となーく重いなぁ・・・
そういえば、毎日快便の私が今日はまだ出てないなぁ・・・
うーん、何かお腹痛いなぁ・・・痛い・・・!痛い・・・!!痛いーーー!!!
で、でも・・・陣痛って、もっともっと痛いんでしょ?
ふと時計を見ると午後2時50分。しばらくして痛みは治まった・・・
と思ったら、また痛い・・・ポンッ・・・ん?何?今の音・・・それより痛い!痛いー!!痛いーーー!!!
外出中の夫に電話。
「何か、お腹痛いんですけど・・・」
慌てて帰宅した夫が、痛くてよがってる私を見て一言。
「これって・・・陣痛なんじゃないの?」
午後3時37分、病院に連絡を入れタクシーを呼ぶ。が、痛みの間隔がだんだん狭まって、なかなかベッドから起き上がれない。力を振り絞って玄関へ向かう途中、朝と同様やはり便意を感じたのでトイレへ行く。
いや・・・ダメだ!今踏ん張ったら・・・赤ちゃん出てくるわ・・・
ともかく我慢だ!ヒッヒッフー。何とかタクシーに乗り込み、ヒッヒッフー。病院までの約10分がものすごーく長く感じた。
フー・・・フー・・・ねぇ・・・まだ?まだ着かない!?・・・もう・・・出る・・・赤ちゃん・・・出るよーーー!!!
タクシーの運転手さんは、気が気じゃなかったことでしょう。
到着したときには、頑張って!と見送ってくれました。ありがとう。
夫にすがりついて、本日2度目の救急外来待合室。
やはり数分待たされるが、もう我慢は限界。
あーーー!うーーーん!もう出まーす!!!
やっと看護婦さんが来て、何か色々聞かれたけど覚えてない。いざ診察。
「おっ!子宮口全開だよ!!破水もしてるよ!!頭見えてるよ!!!間に合って良かった!このまま分娩室直行でーーー!!」
えっ!?ちょ、ちょっと待て!なに?頭!?見えてるって!?
朝から感じてた便意って・・・これだったの!?
破水って・・・あの時のポンッて音か!!
予想外の展開に看護婦さんたちも大慌て。急いでタンカに乗せられて、ガラガラと運ばれる38歳と2か月初産の私。
あれ・・・?これから陣痛室で数時間頑張るんじゃないの?夫に腰をさすってもらったりして、いきまないようにヒッヒッフーじゃないの?
などと考えているうちに分娩室に到着。
分娩着に着替える間もなく、いよいよ分娩台へ。
「それでは、このバーを力いっぱい握っていきんで下さい。固い便を出すような感じで!!」
ほー!固い便ね。了解!了解!!朝からのあの感じ、やっと思いっきり出していいのね。
ふんっ!ふんっ!ふーんっ!
「はい!もう頭見えてますよ!!頑張って!!」
ふんっ!ふんっ!ふーんっ!
「そう!上手!上手!!もう少し!!」
ふんっ!ふんっ!ふーんっ!
「はい!じゃあ、赤ちゃんが出やすいように麻酔して切りますねー」
あ・・・やっぱり切るのね・・・
そうです。切るんです。あそこを・・・うわさでは麻酔なしということで、かなりビビってたんだけど、これはまぁ麻酔のお陰も何も・・・それどころじゃないっていう感じで、難なくクリア。
「しかし、今日は多いよね!何件目だっけ?6件?」
「いや、7件目ですよ!」
「そうかー!すごいね!!」
と和気藹々と会話する先生と助産師さんたちを余所に頑張る38歳と2ヶ月初産の私。
ふんっ!ふんっ!ふーんっ!
「はい!頭出たよ!!もう少し!頑張れ!頑張れ!!」
「よし!そんじゃ一丁本気でいくか!!次のいきみがきたら・・・」とベテラン助産師さんが私の上に乗る。
おいおい!今まで本気じゃなかったのか!?と思いながら・・・ふんっ!ふんっ!ふーんっ!
「よしっ!きたっ!!ヨイショ!!」とベテラン助産師が私のお腹を押した・・・
「・・・はい!出ましたよ!!赤ちゃん!!」
えっ!?うそ!?ホント!?もう出たの!?
・・・おんギャー!!おんギャー!!おんギャー!!
あー泣き声が聞こえる・・・良かった・・・良かった・・・無事、産まれたんだ・・・
しわくちゃの赤ちゃんとご対面。君がずーっとお腹にいたんだね・・・よく頑張った!ありがとう!!ありがとうーーー!!!
2010年9月25日(土)午後5時02分。陣痛スタートから約2時間で第一子誕生!!まるで、自分からスルリと出てきてくれたかのよう・・・なんて親孝行な息子なの!?
こんにちは!私がお母さんですよー
これからどうぞ、よろしくねー!!
あれから11年・・・まるで昨日のことのように思い出される私の出産体験記。38歳と2ヶ月という高齢初産だったけど、だからといって難産とは限らないんだよ!!
では!またー!!